先天性横隔膜ヘルニアで利用できる医療福祉制度

(注:お子さんの年齢や症状、申請する自治体によって利用できないこともあります。)

①自治体に申請が必要なもの


・乳幼児医療費助成

自治体が医療費の自己負担分を補助してくれる制度です。自治体によって所得制限を設けている場合もあります。

・未熟児養育医療

出生時体重が2,000g以下等で、身体の発育が未熟なまま出生し、医師の判断で、「入院治療が必要」とされた場合に医療費を助成してくれる制度です。

・小児慢性特定疾病(原則18歳未満、20歳まで継続可能) 

乳幼児医療費助成では補助されない入院中の食費が半額になったり、自治体が開催する支援事業(相談会や交流会)に参加できることもあります。(要件を満たすかどうかは主治医と相談してください。)

・ 指定難病(年齢制限なし)

合併症の程度も認定基準に関わり、一定以上の重症度で認定されます。(要件を満たすかどうかは主治医と相談してください。 )


・育成医療

合併症などに対して利用できることがあります。

 

政令に規定する障がいの状態にあてはまる場合は、 

・身体障がい者手帳 

・療育手帳 

・特別児童扶養手当 

・障がい児福祉手当 

を受給できる資格があります。 (お住まいの自治体の担当者と相談してください。)
生活の幅が広がったり、社会に参加しやすくなることがあります。

②在宅医療で利用できるもの

先天性横隔膜ヘルニア患者・家族会 訪問診療

・訪問診療・訪問看護・訪問リハビリ

乳幼児医療費助成や小児慢性特定疾病の適用です。(乳幼児医療が適用になるかどうかは自治体によりますのでご確認ください。)

訪問診療を利用していると、自宅で予防接種もしてもらえます。赤ちゃんの間は必要な予防接種が多く、シナジスも適応の場合は9月~3月まで毎月注射があるので自宅で受けれるのは大きなメリットです。

訪問看護は、お子さんの状態や契約する事業所によって訪問や相談可能な時間(日中のみor24時間)、訪問日数や曜日が異なります。休日は別料金が必要なこともあります。
具体的な利用方法としては

・1時間の訪問中にお風呂にいれるのを手伝ってもらい、その後のカニューレバンドやガーゼ交換も手伝ってもらう。
・1時間の訪問中に子どもの見守りをお願いし、買い物をすませる。(兄弟のお迎えなども可能。)
・2時間の訪問中に子どもの見守りをお願いし、自分の通院をする。

訪問看護さんは、子どもの状態はもちろん、「子どものケアをしている人が少しでも楽になるにはどうすれば良いか。」を常に考えてくださります。


主治医の先生や看護師さんはもちろん、臨床心理士さんや病院や地域の保健師さんも心強い味方です。

③みんなで大切に育てていくために

~就園・就学に向けて~

先天性横隔膜ヘルニアのお子さんやご家族が実際に利用されている制度をご紹介します。

毎日わが子と向き合い、わが子の笑顔に励まされ、成長を喜ぶ日々。
でも、未来を考えると不安になることもあると思います。

また、自分自身の体調管理や仕事復帰のことはつい後回しになってしまいますよね。

どうしても自分一人で背負い込んでしまう・・誰に相談して良いかわからない・・。

そのような時に、少しでもヒントになるかもしれません。

・訪問保育(居宅訪問型保育)

子育ての「量」と「質」の両面から子育てを社会全体で支えるために、内閣府が2015年4月よりスタートさせた「子ども・子育て支援新制度」の地域型保育事業の一つで、原則として3歳未満の保育を必要とする乳幼児が対象です。

 障がい、疾病等の程度を考慮して、集団保育が著しく困難であると認められる場合にも利用できます。(詳細は内閣が出されている子ども・子育て支援新制度ハンドブックhttps://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/faq/pdf/jigyousya/handbook.pdfをご参照ください。)


 ・日中一次支援 

障がい、疾病がある子どもの日中における活動の場を確保し、家族の就労支援および障がい者等を日常的に介護している家族の一時的な休息を図ります。登録などが必要になりますので、詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。